shiBano日記
阿武町のしごと〜鮮魚加工(後編)

最後にこれから先、本間さんと同じように阿武町で起業する方の道しるべになるようなお話があればお聞かせ
「この加工場はね、家賃5,000円なんだよ!都会では一等地を借りてスタートまでに何千万とかかる。阿武町だったらその資金を設備や他のものに充てられる。
そしてここで売ろうとするんじゃなく、全国へ販路を持つ。低賃金で大きな収益を上げられる可能性があるよね。
都会とはお金の使い方が違う。ネット卸販売も普及しているし、広告は県や阿武町、商工会が応援してくれるしね!」
趣味で写真を撮っていらっしゃる町内の方が商品の写真をご好意で撮ってくださったというお話もありました。
商品もさることながら、本間さんの人柄もあってのことでしょうね。
最後になりましたが、取材に協力していただいたあぶの空の本間さんご夫妻、仲介してくれた恵美奈さんに感謝いたします。
私もいち阿武町民として応援していきたいと思います!
「親子海藻料理教室」のお知らせ

みなさん、海藻にも旬があるってご存知でしたか?
私はついこないだまで知りませんでしたが、海藻の旬は2〜4月。そう、ちょうど今なんです!
阿武町は日本海側の町。
海を覗けば旬の海藻がたくさん生えています!
そんな海のめぐみと阿武町の野菜をふんだんに使った親子料理教室を開催します。
メニューは投票形式!食べたいメニューが作れます。
お申し込みはQRコードから(締切4月13日)
ご応募お待ちしております。
阿武町のしごと〜鮮魚加工(中編)

以前は仙台に住んでいた本間さん。しかし東日本大震災で被災。安心して住める場所を探し、阿武町に移住してこられました。
製品化を目指し長門ラボに通う日々。その期間3年。
「製品はある、いいものができても作るところが確保できないので宣伝のしようがなかった。もどかしかったね…周りの人からもうやめたら?とか、うだつの上がらないことしていないで、とか心ない声をかけられて、それも辛かったね…」
「理解者は多くなかったし、家族だけだったかな…」と。
萩で外注をかけたこともあったそう。しかし、パック詰めの業者に依頼して出荷したら、写真と違うと言われ全て返品されしまう始末。
商品の細部までこだわった思いを外部の人が商品に乗せることが難しいと思った本間さん。
この時、自身で加工場を設けることを決めたそう。
「あぶの空は自分とは別の個体で生きていると思うんだよね。」
今回の取材で一番印象的な言葉でした。
「ゆくゆくは後継者を育てたいんだよね。あぶの空をやりがいのある場所にして、魅力的なモノになる手伝いをするのが自分の役割かなと思うんだよ。そういう意識があるから、自分の店だからと頑固ではいられないかな。」と話されました。
物事を柔軟に考え、いいなと思うものから学んでこられた本間さんらしいお話を聞くことができました。
次回、最終話。本間さんからこれから阿武町で起業する方へのエールです。
阿武町のしごと〜鮮魚加工(前編)

「阿武町といえば大吟醸漬け」というブランドを確立していきたい。
そうお話ししてくださったのは本間孝男さん(惣郷)
4年前から鮮魚を加工し、販売を始め、2023年には「真鯛の大吟醸漬け」が山口県の県知事賞を受賞しました。
この度、新しい加工場を宇田郷に設け事業を拡大しています。
「この小さな町、阿武町が『大吟醸漬け』という世の中になかったものを通じて全国に広がったらどんなにおもしろいだろう」
「こんなに素晴らしいものがあるのに、萩市の陰に隠れてしまう阿武町をもっと全国の方に知ってほしい」
この想いが、販路の工夫や努力、新商品のアイデアを生む原動力になっているのでしょうね。
あぶの空は2月に開催された「大阪シーフードショー」にも出店し大きな手応えを感じたそう。
これまでも秋川牧園、紀伊國屋などと契約をしているあぶの空。
このシーフードショーをきっかけに大阪、名古屋など大きな都市にも阿武町の大吟醸漬けを広げることができ、新たに大手6社と契約することができました。
ただね、と続けて「夢が具体的な目標に変わるとどうしても責任が出てくるよね」と。品質を保ち、契約先との約束を守る責任。この加工場を守っていく責任。
商品の一つ一つに阿武町の旗を立てるのは、責任が重くのしかかる一方、本間さん自身を奮い立たせ原動力になっているんだな、と思いました。
順風満帆にみえるあぶの空。しかし、ここに来るまでには苦労の連続でした。
中編に続きます。