shiBano日記
無角和種
阿武町の福賀地区には無角和種繁殖センターがあります。
ここでは、国内でも山口県でしか飼育されていない珍しい和牛「無角和種」の生産を行っています。
今回、その仕事の様子を見学させていただきました。
※通常、無角和種繁殖センターには関係者以外立ち入る事ができません。
まずは牛の体重測定を見学させてもらいました。
毎月、60頭近い牛たちの体重を測る大掛かりな仕事です。
阿武町役場、萩市役所の職員さんと無角和種振興公社の職員さんらが8人程度集まって行われます。
臆病な無角和牛の習性を利用して、「おいおいおーーーーーい!!」と牛たちを後ろから追い立て、体重計の置いてある場所まで誘導します。
トンネル状の鉄枠の中に牛を並べていき、一頭ずつ順番に測定していきます。
臆病で人間を襲うようなことは無いとはいえ、誤って蹴られるような事があれば大惨事になりかねないため、慎重に作業を進めます。
私も作業を手伝わせてもらいましたが、なかなか思うようには牛たちも動いてくれず、大変な作業でした。
また別の牛舎では、新しく生まれた子牛の登録と、雄の子牛の去勢が行われていました。
生まれて間もない子牛は、自分の足で立つこともままならず、だらーんとしています。
それがまた何とも可愛らしいのですが。
新しく登録する子牛は耳にタグをつけ、鼻紋(びもん:鼻のしわ)を取ります。鼻紋は人間でいうところの指紋と同じで、歳を重ねても変わる事がありません。
そのため鼻紋がそれぞれの牛の証明となります。
無角和種振興公社に勤める松村直樹さんにお話を伺いました。
松村さんは、地域おこし協力隊として阿武町に移住して以来、無角和種振興公社で無角和種に携わってきました。
高校と大学で農業を学んできた中で、珍しい品種である無角和種が山口県に存在する事を知ったそうです。
そして「無角和種に携われるなら」と阿武町に就農を決意。
この仕事のやりがいは、無角和牛の出産から飼育、出荷まで全ての工程に携われることだとおっしゃっています。
今後はもっと無角の頭数を増やし、知名度を上げていく事を目標としています。
そのためにまずは山口県民に無角和牛の存在を認知してもらいたいとのことでした。
これから、阿武町および山口県の特産品として、無角和種がより愛されるようになると嬉しいですね。
記事/小野